予防歯科
予防歯科とは病気に限らず、歯も最もいい状態は虫歯や歯肉炎・歯周病などお口のトラブルが発生する前に原因を作らないように予防することを言います。 定期的に(治療後も)歯科に通っていただくことで歯垢や歯石を除去、虫歯のチェック(ドクター、歯科衛生士によるプロフェッショナルチェック)とご自身のセルフケアで虫歯の予防をいたします。
ゆう歯科・口腔外科クリニックに通院している患者様は口の中が綺麗に保たれて、歯もたくさん残っているのねと言われるように当院スタッフ、患者様と共に頑張って行きたいと思います!!
痛くなってからでは遅いんです! 予防歯科ってなに?
いまの歯科医療では、残念ながらできてしまった虫歯をもとにもどすことはできません。削って詰めたり、抜歯して入れ歯にしたり……。でも、それは本来の健康な歯にはかないません。やはり一生自分の歯で過ごせることがなにより幸せなことです。
そのために大切になってくるのが、予防歯科。予防歯科とは、削ったり、抜いたりすることなく自分の歯を一生使い続けられるようにするための歯科です。
この予防歯科、日本ではまだあまりなじみがありませんが、ヨーロッパなどの先進諸国では一般的。「虫歯ができたから」「虫歯が痛いから歯医者に行く」ではなく、「虫歯ができないように歯医者に行く」のが普通なのです。
生体お口の健康は全身の健康にも不可欠 予防歯科はなぜ大切なの?
では、なぜ予防歯科が大切なのでしょう?
たとえば、歯周病。お口のなかだけの問題だと思ってしまいますが、実は歯周病菌は全身へさまざまな悪影響を及ぼすことが明らかになってきています。近年の研究では、歯周病菌が心筋梗塞や脳梗塞などのリスク因子になるとも。
さらに、口の渇きが高血圧や糖尿病が原因である場合もあります。予防歯科での検診や検査で、そうした生活習慣病が発覚することもあるんですよ。
また、お口のなかが健康でないと、しっかり噛めません。それによって栄養がかたよってしまい、健康を損ねる場合もあります。
予防歯科は、虫歯や歯周病を未然に防ぐだけでなく、こうした全身疾患のリスクを減らすためにもとても重要なのです。
ひとりひとりに合わせたプログラムを! 予防歯科ってどんなことをするの?
予防歯科の第1のステップは検診です。それによって口腔内をチェック。虫歯がないか、歯周病にかかっていないか、などを検査します。虫歯や歯周病がある場合は、まずはそれらを治療することから始めます。
そして、次に行うのが、唾液検査や歯のクリーニング「PMTC」、フッ素塗布、歯みがき指導、虫歯や歯周病になりにくい食生活、生活習慣についてのアドバイスなどです。ひとりひとりの口腔内を把握し、その人に最適な予防歯科的処置を行っていきます。
予防歯科の具体的な処置
1、PMTC
毎日歯ブラシでちゃんと磨いているつもりでも、歯と歯の間や歯と歯茎のさかいめ、歯の細かい溝などには歯ブラシが届きにくく、どうしても磨き残しができてしまいます。こうした磨き残した汚れこそが、虫歯や歯周病の原因!
そこで、活躍するのが歯のクリーニング「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」です。歯科衛生士が高度なスキルで専用機器を用い、毎日のブラッシングでは取れないみがき残しなどをきれいにクリーニングします。
2、フッ素塗布
定期的にフッ素を歯の表面に塗ると虫歯になりにくくなります。フッ素には、歯の再石灰化を促進する効果や虫歯菌が酸を作り出すのを抑制する効果があるからです。
ただ、子どもへのフッ素塗布は一般的に知られていますが、大人にも効果があるの? と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。以前は大人には効果がない、といわれていましたから……。
フッ素は大人にも効果があります。子どもはもちろん、大人にも定期的なフッ素塗布をおすすめします。
3、効果的な歯のみがきかたをアドバイス
予防歯科の治療を受けていても毎日の歯みがきはやはり大切です。毎日の歯みがきにプラスしてこそ、予防歯科の効果が発揮されます。
また、食べ物が口のなかに入る回数が多いほど虫歯になるリスクは上がります。あなたのふだんの生活をチェックしながら、予防歯科の観点で虫歯や歯周病にかかりにくい食生活、生活習慣についてのアドバイスをします。
4、虫歯や歯周病になりにくい食生活、生活習慣についてアドバイス
歯をみがくタイミング、食事や間食のとりかたなどに留意することで、虫歯や歯周病へのリスクが減ります。
ただ、正しい歯のみがきかたというのは、実は意外と知らないものです。そこで歯のプロが、歯の正しいみがきかた、みがきかたのポイントなどをアドバイスします。
虫歯ってどうしてなるの?
お口の中にはたくさんの細菌が住んでいて、その中のひとつ、ミュータンス菌というのが虫歯の原因菌です。この虫歯菌、食べ物のなかの砂糖が大好きで、砂糖を栄養にして歯の表面にネバネバした物質を作ります。
そして、そのなかに虫歯菌や他の細菌が住みつき、どんどん増殖。これがプラークといわれるものです。プラークの中の虫歯菌は食べ物の中の糖質を取り込んで酸を作り、歯の表面のエナメル質を溶かします。
これが虫歯です。
糖質というのは砂糖に限らず、米やパンなど、多くの食べ物に含まれています。甘いものはあまり食べないからといって安心はできません。
歯周病とは?
日本人が虫歯以上に歯を失う原因となっているのが歯周病です。成人の多くが遅かれ早かれかかっているといわれています。しかし、実際にどのような病気で、どのような症状が出るのかは意外に知られていないかもしれません。
歯周病とは、歯周組織が歯垢(プラーク)に含まれている歯周病菌に感染し、歯茎が腫れたり、出血したりし、そのままにしていると最終的には歯が抜けてしまう歯のまわりの病気の総称です。
歯周病の怖い点は自覚症状が出にくいこと。歯周病にかかっていても気づいていないかたも多く、その結果症状が悪化し、歯科医院に行った時にはすでに手遅れで歯を失ってしまうというケースも少なくありません。
しかし、早期に発見し、適切なケアをすれば治ります。そこで大切になってくるのが予防歯科。歯周病には定期的な検診がとても大切です。
また、歯周病は口臭の原因にもなるので要注意です。
大切な妊婦さんの予防歯科
妊娠中は、ホルモンバランスの変化によって歯周病になってしまったり、進行してしまう場合があります。また、つわりで歯みがきなどのホームケアが十分にできなかったり、食後に酸性に傾いた口腔内を元に戻す力が弱まったりするため、虫歯のリスクも高まります。
さらに気をつけたいのが、お母さんに虫歯があると生まれてきた赤ちゃんに虫歯菌をうつしてしまうことです。ですから、妊婦さんに予防歯科はとても大事。安定期に入ったらご自身と赤ちゃんのために予防歯科で口腔内の状態を整えておくことをおすすめします。
赤ちゃんの予防歯科
生まれたばかりの赤ちゃんのお口のなかには虫歯菌はいません。赤ちゃんへの虫歯菌の感染は、おもにお母さんやお父さん、ご家族によって起こります。ですから、赤ちゃんが生まれる前に、ご両親をはじめ、ご家族も虫歯の治療をすることをおすすめします。
そして、赤ちゃんに歯が生えてきたら、歯みがきを習慣づけましょう。ブラッシングのしかたがわからない場合などは歯科医にご相談ください。
さらに離乳食期に移行したら、口腔内の状態に合った離乳食やおやつを用意します。砂糖の味を覚える時期をできるだけ遅くすることも大切です。
キッズの予防歯科
きれいな歯は、子どもへのすてきな贈り物です。「虫歯ができたから歯医者に行く」のではなく、「虫歯にならないために歯医者に行く」ことがとても大事。子どもにこそ、予防歯科! 定期的な検診を心がけてください。
また、乳歯の虫歯は永久歯にも影響します。「どうせ生え変わる歯だから」というのはタブーです。
同時に大切なのが、家庭でのホームケア。お子さんに歯みがきのしかたをレクチャーするのはもちろん、仕上げみがきのしかたなど、ホームケアのポイントやコツをご家族へアドバイスします。
中学生・高校生のジュニア世代の予防歯科
食べ盛りでもあり、間食が増える時期です。ダラダラとお菓子を食べ続けたり、清涼飲料水を多飲したりが原因で虫歯になりやすい時期でもあります。予防歯科で適切な虫歯予防をしましょう。
思春期のこの時期は、見た目を気にする時期でもあります。きれいな白い歯でいられるよう、定期的な歯科検診をおすすめします。
シニアの予防歯科
虫歯や歯周病が原因で歯を失うと、好きなものが食べられなくなるばかりではなく、食べられるものの幅が狭くなります。そうなると食事がかたよる、低栄養になるなど、悪影響は体全体に及びます。
特に歯周病は、歯を失うリスクだけにとどまらず、心筋梗塞などの一因にもなるのです。
そうならないために、シニア世代に予防歯科は不可欠。自分の歯で食べ、全身の健康を維持するためにも口腔内の健康を保ち、予防歯科で定期的にメンテナンスをしましょう。
残っている歯の本数が多いほど生存率が高いことや、認知症をおこす危険性が低いこともいわれています。