フィブリンゲル応用治療は、体にやさしく、歯科医療の現場で幅広く活用されている再生医療の一つです。
ゆう歯科口腔外科クリニック 登戸院では、「患者さんご自身の治癒力を最大限に活かす治療」を理念のひとつとしています。
高齢化社会の進展や低侵襲治療のニーズの高まりを受けて、身体への負担が少なく、安全性の高い再生医療が求められています。
その中でも、自己血液由来のフィブリンゲルを活用した治療は、添加物を使用せず、自身の細胞を活かした生体由来の自然な治療法として非常に有効です。

再生医療 フィブリンゲル応用治療が解決する患者さんの悩み
- 手術後の痛みや腫れが気になる
- 傷口の治癒を早めたい
- 感染リスクを減らしたい
- 人工物や薬剤を極力使わずに治療したい
- 安心してインプラントや歯周病治療を受けたい
- 今まで、骨量不足でインプラント治療を断念されていた
フィブリンゲルとは、血液の成分であるフィブリン(たんぱく質の一種)を主体としたゲル状の物質で、傷口の治癒や組織の再生を助ける役割を持ちます。
特に、フィブリンゲルには血小板や成長因子(細胞の増殖や修復を促す生理活性物質)が豊富に含まれており、これらの成分が出血の抑制、炎症の緩和、細胞の再生促進、骨の形成や血管新生の誘導といった多岐にわたる良好な効果をもたらすことが知られています。
これらの悩みに、フィブリンゲルは体の中からの回復力を高める手助けをします。
再生医療 フィブリンゲル応用治療とは?
フィブリンゲル応用治療は、体にやさしく、歯科医療の現場で幅広く活用されている再生医療の一つです。
この治療では、患者さんご自身の血液を少量(約10ml程度)採取し、専用の遠心分離機で高速回転させることで、血液中の成分を分離・抽出します。
この工程で得られるのが、血小板や白血球を多く含んだ「フィブリンゲル(CGF:Concentrated Growth Factors / AFG:Autologous Fibrin Glue)」です。
このフィブリンゲルには、細胞の成長や修復を助ける「成長因子(グロースファクター)」が豊富に含まれており、インプラント治療や抜歯、歯周外科などの外科処置後に治療部位へ応用することで、傷口の治癒促進、腫れや痛みの軽減、感染リスクの低下といった効果が期待されます。
CGF・AFG治療は、添加物を一切使用せず、体への負担が少ない自然由来の治療法であり、生体適合性が非常に高いのが特徴です。歯科領域における再生医療の一環として、注目されている先進的な治療手法です。
どのような治療に応用されるのか
インプラント治療
顎の骨の量が不足している場合に、人工骨などの骨補填材と併用してフィブリンゲルを適用することで、骨の再生を促進し、インプラントの安定性を高めます。
これにより、これまで骨量の不足によりインプラント治療を断念されていた患者さんにも、新たな治療の選択肢を提供できます。
歯周病治療
進行した歯周病によって骨や歯周組織が失われた箇所にフィブリンゲルを応用することで、歯槽骨や歯肉の再生を促し、歯の延命に貢献します。
抜歯後の治療
親知らずなどの抜歯後、抜歯窩(歯を抜いた後の穴)にフィブリンゲルを適用することで、止血作用とともに治癒を早め、術後の痛みや腫れの軽減が期待されます。
外科的処置後のサポート
口腔内の外科処置後、フィブリンゲルは傷口の保護膜として機能し、感染予防や創傷治癒の促進に役立ちます。
治療の流れ
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血液を少量採取します(約10ml〜)
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専用の遠心分離機「MEDIFUGE(メディフュージ)」を用いて、フィブリンゲルを作製します(約13分)
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作製したフィブリンゲルを治療部位に応用
- この工程は、精密な技術と歯科口腔外科の専門知識が求められる作業であり、再生医療等提供計画に基づく届け出を行い、適切な研修を受けた医療機関でのみ実施が認められています。
- ゆう歯科口腔外科クリニック 登戸院では、再生医療に関する法的認定と、専門医の資格を有する歯科医師がこの作業を担っており、安全性と正確性に配慮しながら行っています。
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治療後は、通常の経過観察を行い、患者さんの回復状況に合わせて丁寧にフォローいたします。経過に応じて必要な処置やアフターケアを行い、治癒をサポートします。
また、違和感や不安がある場合は、無理をせず当院までご相談ください。
当院では、治療後の患者さんとの連携を大切にし、安心して治療を受けていただけるよう努めています。
この治療のメリット
- 自分の血液のみを使用するため、アレルギーや感染症のリスクが極めて低く、安全性が非常に高い治療です。
- 他人由来の血液や人工材料を一切使わないため、拒絶反応の心配もありません。
- 成長因子が豊富に含まれているため、治癒を早め、術後の腫れや痛みの軽減が期待されます。
- 術後の経過が安定しやすく、患者さんにとって身体的・精神的な負担が少ない点も大きなメリットです。
- 添加物不使用であり、生体適合性の高い自然由来の再生医療です。
デメリット(留意点)
- 採血を行う必要がある
- 効果には個人差がある
- 健康状態や血液の状態により適用できない場合がある
- 自由診療となり、保険適用外です
よくある質問 Q&A
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痛みはありますか?
採血時に軽いチクッとした痛みがありますが、それ以外は通常の歯科治療とほぼ同様です。術後の痛みも、フィブリンゲルの効果により軽減される傾向があります。
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誰でも受けられますか?
健康状態によっては受けられない場合もあります。特に、重度の貧血や血液に関わる疾患のある方は対象外となることがあります。詳しくは事前の診察時に医師が判断いたします。
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インプラント治療の他にも使えますか?
はい。インプラント以外にも、親知らずの抜歯、歯周外科、歯槽骨の再建などさまざまな外科処置に活用されています。
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処置にはどのくらい時間がかかりますか?
採血後、フィブリンゲルの作製には約13分を要します。治療の進行に支障はなく、スムーズに進行可能です。
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血液を採るのが怖いのですが大丈夫ですか?
採血は少量(約10ml〜)で、医療従事者が丁寧に対応いたします。不安がある方は事前にご相談ください。
まとめ
フィブリンゲル応用治療は、患者さんご自身の血液から得られる成分を利用し、体本来の治癒力を引き出す、身体にやさしい再生医療です。術後の腫れや痛みを軽減し、治癒の促進が期待できるこの治療法は、口腔外科専門医の視点からも非常に有効な選択肢と考えられます。

当院では、厚生労働省に再生医療等提供計画を届け出た医療機関として、安全性とエビデンスに基づいた医療提供に努めています。
地域に根ざした歯科医療機関として、インプラントや歯周外科処置をはじめ、ご家族皆さまのお口の健康を支えるため、専門性と安心感の両立を目指しています。
自由診療であることへの注意
この治療は、保険適用外の自由診療です。
治療費は自費でのご負担となりますが、安心・安全に配慮した高品質な医療を提供しております。
費用についてはカウンセリング時に丁寧にご説明いたします。